平置き駐車場とは？メリット・デメリットや他の駐車場との比較も解説

近年、駐車場経営は安定した収益源として注目を集めています。
しかし、いざ駐車場経営を始めようとしたときに、どのタイプの駐車場にするべきか悩む人は多いのではないでしょうか？

この記事では、平置き駐車場の特徴から、経営におけるメリット・デメリット、他の駐車場との比較まで、平置き駐車場に関する情報を紹介します。

駐車場経営の成功に向けて、ぜひ参考にしてみてください。

平置き駐車場とは？

平置き駐車場とは、文字通り、平面に設けられた駐車場で、「平面式駐車場」とも呼ばれます。
立体駐車場のように階層がなく、1つのフロアに駐車スペースが並んでいます。
地上に設置された駐車場はもちろん、地下であっても平面のみで運用されているものは、全て平置き駐車場に分類されます。

平置き駐車場の代表的な例としては、青空駐車場が挙げられます。
青空駐車場とは、建物やガレージなどの構造物がなく、車両が直接空や雨風に晒される駐車場です。
駐車スペースはラインやロープで区画されています。

一方、地下2階や3階など複数階にわたって駐車場が設けられている場合は、平置き駐車場ではなく、多層式駐車場と呼ばれます。

平置き駐車場のメリット

駐車場選びは、車を持つ人にとって悩ましいものです。
駐車のしやすさ、料金、セキュリティなど、様々な要素を考慮する必要があります。

そこで今回は、平置き駐車場を利用する人のメリットと、駐車場を経営する人のメリットについて詳しく解説します。

平置き駐車場を利用する人のメリット

1.ストレスフリーな駐車

平置き駐車場は、駐車スペースが広く、段差がないため、車庫入れや車庫出しがスムーズに行えます。
特に、運転に慣れていない方や、大型車に乗っている方にとっては、大きなメリットとなるでしょう。

また、駐車スペースと通路が比較的広いため、隣の車にぶつけたり、ドアを開けにくいといった心配も少なく、安心して駐車することができます。

2.荷物の積み下ろしが楽々

平置き駐車場では、駐車した後に荷物の積み下ろしを行うことができます。
機械式駐車場では、一度荷物を車外に出してから駐車作業が必要となるため、荷物が多い場合は大変です。

また、小さなお子様がいるご家族や、業務で荷物を多く持ち運ぶ方にとっても、大きな利便性となります。

3.車種を選ばない自由度

平置き駐車場は、車高や重量の制限がないため、幅広い車種を駐車することができます。

近年人気が高まっているSUVやミニバンはもちろん、大型トラックやキャンピングカーなど、車種選びの自由度が格段に向上します。
駐車場選びで車種を諦める必要がなくなり、より自分に合った車を選ぶことができるでしょう。

平置き駐車場を経営する人のメリット

1.設置・管理コストが比較的安価

平置き駐車場は、立体駐車場や機械式駐車場と比べて、設置や管理にかかるコストが比較的安価です。

構造物が少ないため、建築や修繕にかかる費用が抑えられ、管理の手間も少なく済みます。
また、ランニングコストも抑えられるため、長期的な視点で駐車場経営を考える場合にも魅力的な選択肢となります。

2.土地の有効活用

平置き駐車場は、土地を有効活用することができます。
建物を建てる必要がないため、土地の形状や広さに合わせた駐車場を設計することが可能です。

また、駐車場としての利用をやめた後も、更地に近い状態なので、他の用途への転用も容易です。

平置き駐車場のデメリット

平置き駐車場は、場所を選ばない利便性や駐車のしやすさなど、多くのメリットを持つ駐車場形態です。
しかし、経営する人にとっても利用する人にとっても、以下の点に注意する必要があります。

平置き駐車場を利用する人のデメリット

1. 天候の影響を受けやすい

屋根がない青空駐車場が一般的であるため、雨や風、雪などの悪天候の影響を受けやすいというデメリットがあります。
車体が汚れやすく、錆びたり傷ついたりする可能性も高くなります。

特に、ゲリラ豪雨や台風などの災害時には、冠水や飛来物による被害を受けるリスクが高まります。
また、真夏には直射日光による車内温度の上昇や、冬季には積雪による駐車スペースの確保が困難になるケースもあります。

2.セキュリティ面に不安がある

平置き駐車場は、防犯対策が不十分な場合、敷地内に入りやすいことから車上荒らしや盗難などの被害に遭う可能性があります。
駐車場利用者自身も、貴重品を車内に放置しない、周囲に注意を払うなどの対策を心がけることが重要です。

平置き駐車場を経営する人のデメリット

1. 収益性が低い

立体駐車場や機械式駐車場と比べて、駐車台数が限られるため、収益性が低くなります。
また、駐車場区画や通路を広く確保する必要があるため、土地の有効活用が難しいというデメリットもあります。

さらに、夜間の照明や防犯対策などのランニングコストも発生するため、収益率をさらに圧迫する可能性があります。

2. セキュリティ対策が必須

敷地内へのアクセスが容易なため、悪戯や盗難、車上荒らしなどの犯罪被害に遭うリスクが高くなります。
立体駐車場や機械式駐車場と比べて、防犯対策が脆弱であると言えます。

このようなリスクを軽減するためには、以下の対策が有効です。

• 防犯カメラの設置
• 照明の設置
• 定期的な巡回警備

他の駐車場との比較

駐車場には、大きく分けて3つの種類があります。

• 平置き駐車場
• 機械式駐車場
• 自走式立体駐車場

それぞれの駐車場には、メリットとデメリットがあります。

駐車場選びに迷っている方は、それぞれの駐車場の特徴を比較検討することで、自分の土地に合った駐車場を見つけることができます。

機械式駐車場とは

限られた土地に多くの車を駐車するために、昇降機などを用いて車を立体的に収納する駐車場です。
主に分譲マンションに多く採用されており、地下部分や空間部分を有効活用することで、土地を有効活用できます。

代表的な種類としては、地下部分を上下に移動する「上下移動式」と、地下部分と地上・空間部分を横方向に移動する「横行昇降式」があります。

機械式駐車場のメリット

• 土地を有効活用できる
  平置き駐車場よりも多くの車を駐車できるため、限られた土地でも駐車場の収容台数を増やすことができます。
• 車へのダメージが軽減される
  多くの場合、屋根があるため、車体が雨や強い日差しにさらされることを防ぎ、劣化を抑制することができます。
• 防犯性が高い
  人が車体に触れることが物理的に難しいため、いたずらや車上荒らしの被害に遭いにくいというメリットがあります。

機械式駐車場のデメリット

• 駐車できる車種に制限がある
  車高、車両重量、最低地上高、タイヤサイズなどの制限があり、すべての車種を駐車できるわけではありません。
• 入出庫が面倒
  駐車には機械操作が必要で、駐車スペースも狭いため、慣れないうちは操作に時間がかかる場合があります。
• 出庫に時間がかかる
  特に横行昇降式の場合、出庫までに数分かかる場合があり、時間に余裕を持って利用する必要があります。
• 設置・メンテナンス費用が高い
  平置き駐車場に比べて、設置費用やメンテナンス費用がかかります。
• 動作音がうるさい
  機械の動作音が発生するため、住宅街や夜間利用の場合は、周辺への配慮が必要となります。

自走式立体駐車場とは

地上に複数の駐車スペースを設け、ドライバー自らが車を運転して駐車・出庫できる駐車場です。
デパートやショッピングモール、病院など、様々な施設で広く採用されています。

構造としては、スロープ型や立体ハイルーフ型などがあり、駐車台数を多く確保できる点が特徴です。

自走式立体駐車場のメリット

• 駐車台数が多い
  平置き駐車場に比べて、同じ面積に多くの車を駐車することができます。
• 入出庫が簡単
  機械操作が不要で、駐車スペースも広いので、誰でも簡単に駐車できます。
• 駐車できる車種に制限が少ない
  車高制限や重量制限がある場合もありますが、多くの車種を駐車することができます。

自走式立体駐車場のデメリット

• 広い敷地が必要
  設置には広い敷地が必要となります。
• 車庫まで時間がかかる
  駐車場によっては、駐車する車庫まで移動するのに時間がかかる場合があります。
• 防犯対策が必要
  人が車体に触れることができるため、いたずらや車上荒らしの被害に遭う可能性があります。
• 設置・メンテナンス費用が高い
  平置き駐車場に比べて、設置費用やメンテナンス費用が高くなります。
• 事故やトラブルのリスクがある
  多くの車が行き交うため、接触事故や駐車トラブルなどのリスクがあります。

まとめ

平置き駐車場は、利便性と開放感の両方を兼ね備えた、多くの人に利用されている駐車場形態です。
他の駐車場と比較しても、入出庫のしやすさや駐車できる車種に制限がない点など、魅力的な特徴がたくさんあります。

しかし、天候の影響を受けやすい点や防犯対策が必要となる点など、デメリットも存在します。

駐車場経営を検討する際には、平置き駐車場のメリットとデメリットを理解し、立地条件やターゲット層などを考慮した上で、最適な駐車場を選ぶことが重要です。

平置き駐車場があなたにとって最適な選択肢かどうか、ぜひこの記事の内容を参考に検討してみてください。