所有している土地を月極駐車場やコインパーキングとして活用すると決めたとき、特に多くの方が悩むポイントが「駐車場のレイアウト」です。

駐車場経営においては、大掛かりな工事は必要なく、基本的に整備した道路に白線で駐車場ライン引きをしたり縁石を設置したりするだけで運用できます。知識や経験のない方でもレイアウトしやすい一方で、細かな規定には注意しなければなりません。

そこで今回は、駐車場レイアウトを考える前におさえておくべき基礎的な知識から、おすすめのレイアウト例、さらにレイアウトの作成方法と注意点まで詳しく説明します。月極駐車場経営やコインパーキング経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.駐車場のレイアウトを考える前の基礎知識

駐車場のレイアウトを考える前には、いくつかの基礎知識をおさえる必要があります。知識がないままレイアウトを作成すると、利用者にとって利便性の低い駐車場となり、なかなか契約者・パーキング利用者が増えないという事態にも陥りかねません。

「所有する土地を駐車場として経営したい」と考えたときは、ここから紹介する駐車場レイアウトの基礎知識をおさえましょう。

 

1-1.駐車場の寸法

駐車場の寸法に法律上の規定はありませんが、国土交通省の標準駐車場条例によって基準が公表されています。

駐車場の基本的な寸法の基準は、一般的P(利用者・サービス用SP)と車椅子使用者用HPとで分けられています。

一般的P(利用者・サービス用SP)幅2.5m×長さ6m
車椅子使用者用HP幅3.5m×長さ6m

出典:国土交通省「標準駐車場条例の改正について」

車椅子使用者用HPは、安全面に配慮するため一般的Pよりも幅員が1mプラスされていることが特徴です。

また、国土交通省から設計対象車両ごとの駐車場マスにも指標が出ています。平面駐車場や自走式立体駐車場、機械式駐車場など、すべての駐車場種類が対象となります。

〔単位:m〕

設計対象車両長さ幅員
軽自動車3.62.0
小型乗用車5.02.3
普通乗用車6.02.5
小型貨物車7.73.0
大型貨物車およびバス13.03.3

引用:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」/引用日2024/01/08

上記はあくまでも指標であるため、小型乗用車の駐車マスの指標である「幅2.3m×長さ5m」の範囲に普通乗用車を停車させることは可能です。

しかし、軽自動車から小型乗用車が対象となる「幅2.0~2.3m×長さ3.6~5m」の駐車場マスに普通車や大型車を停めることは難しく、事故リスクも非常に高まります。やむを得ずマスの狭い駐車区画ができてしまう場合は、「軽自動車専用」に設定しておくことが無難です。

 

1-2.車路の寸法

駐車場のレイアウト設計時は、車路の寸法についても考慮しておく必要があります。車路とは、駐車場内で車の通行・切り返しを行うために必要なスペースのことです。

車路は、「幅員5m」を基準としてレイアウトすることが基本です。

出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」

車路の幅が狭いと、契約者・利用者は駐車しにくくなるだけではなく、敷地内での事故・トラブルのリスクも高まります。基本的に、こうしたリスクは車路の幅が広ければ広いほど防げると言っても過言ではありません。

また、やむを得ず車路を狭める場合は、敷地内での事故・トラブルリスクを軽減させるためにも、車両の通行を一方向に設定するとよいでしょう。契約者・利用者にも分かりやすいよう、白線で矢印や一方通行などの表示をつけることが大切です。

 

2.駐車場のレイアウト例を解説

駐車場の代表的なレイアウトには、「対面駐車」と「並列駐車」の2つがあります。

対面駐車
車路を挟んで向かい合わせに駐車スペースを配置するパターンです。最もオーソドックスで、多くの方が最初に検討するレイアウトでもあるでしょう。しかし、土地が狭い場合は実現できない可能性もあります。
並列駐車
車路に対し、片側一列に横並びで駐車スペースを配置するパターンです。比較的狭い土地でも採用しやすく、契約者・利用者にとっても使いやすいレイアウトとなります。

また、駐車場のレイアウトにはその他にも、車道での切り返しが必要となる「串刺し駐車」のほか、柱のみの建物1階部分を駐車場として活用した「ピロティ駐車場」など、さまざまなパターンがあります。

 

3.駐車場のレイアウトを作成する方法

更地からの駐車場づくりに際しては、まず土地の寸法を測ることが大切です。正確に寸法を測った後、幅2.5m×長さ6m程度の駐車スペースと幅5m程度の車路を無駄が生じないようにレイアウトしていくというのは、最もアナログな方法と言えるでしょう。

しかし、寸法を測って配置していくアナログな方法はミスが起こりやすく、頭の中では問題ないように思えても、実際の駐車時には不便を感じる可能性もあります。

駐車場のレイアウトを正確に作成するためには、「手書きで作成する」または「専用ソフトで作成する」のいずれかの方法をとりましょう。

 

3-1.手書きで作成する

駐車場レイアウトを手書きで作成するという方法は、最もシンプルかつ簡単です。

紙の配置図とえんぴつ・ペンを用意し、測定した寸法通りに土地や隣接する道路の幅員のほか、駐車スペース、車路を書いていくだけでレイアウトを作成できます。また、別の紙とはさみを用意し、図面に応じたサイズにカットした駐車スペースをパズルのようにはめ込むという方法もおすすめです。

なお、手書きで駐車場レイアウトを作成する際は、いくつかのパターンで設計しながら完成形を目指すと良いでしょう。したがって、配置図は数枚用意しておくことをおすすめします。

 

3-2.専用のソフトで作成する

パソコン操作に慣れている方であれば、「設計支援ツール」とも呼ばれる専用のソフトウェアを活用して駐車場レイアウトを作成するとよいでしょう。専用ソフトであれば、手書きよりもきれいに、かつ確実にレイアウトを作成できる点がメリットです。

駐車場レイアウトに活用できる専用ソフトは、無料で利用できるものが豊富にあります。まずはいくつかのツールを試してみて、自分にとって使いやすいものを探してみるとよいでしょう。

 

4.駐車場のレイアウトを作成する際の注意点

駐車場レイアウトを作成するときは、下記のポイントに注意しましょう。

  • 稼働率を分散させる
  • 車の内輪差を考える
  • 駐車台数より使いやすさを重視する

以下では、それぞれの注意点について詳しく説明します。駐車場のレイアウト作成に失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。

 

4-1.稼働率を分散させる

駐車場のレイアウト作成時は、駐車スペースによって稼働率に偏りを生じさせないためにも、稼働率を分散させられるような配置にすることが大切です。

特に、並列駐車など出入口から駐車場の奥まで一直線となる駐車場では、出入口付近の駐車スペースの稼働率が高くなり、奥にいくほど稼働率が低下する傾向にあります。また、出入口付近の駐車スペースがいっぱいの場合、駐車場利用者は利用しにくくなるほか、事故・トラブルの要因にもなりかねません。

駐車場の稼働率を分散させるためにも、出入口付近の駐車スペースは軽自動車または車椅子使用者用HP専用にしたり、奥側の駐車場は向きを変えて切り返しできる範囲を広くとったりするなどの工夫を施しましょう。

 

4-2.車の内輪差を考える

車で右左折する際は、内側の前輪と後輪が進む軌道のズレ、いわゆる内輪差が必ず生じます。内輪差を考慮してレイアウトしなければ、駐車時に縁石やほかの駐車車両にぶつかる可能性があります。

また、駐車場の利用者は運転が上手な方ばかりではないため、運転技術が低く、うまく駐車できない方に合わせてレイアウトを作成することが大切です。

「図面に収まれば問題ない」という考え方ではなく、駐車時の実際の軌道をしっかりとシミュレーションしましょう。なお、シミュレーションの際は前からの駐車とバックからの駐車の両パターンで考えることも重要です。

 

4-3.駐車台数より使いやすさを重視する

駐車場のレイアウトを考える際、特におさえておくべき注意点が「駐車台数より使いやすさを重視すること」です。

収益性を少しでも高めるために、できる限り駐車スペースを増やしたいと考える方は多いでしょう。しかし、無理に駐車台数を確保しようとすると、その分一つひとつの駐車スペースや車路が狭まります。入出庫がしにくくなるだけでなく、利用者同士のトラブルにもつながりかねません。

事故やトラブルが勃発するような駐車場は、多くの利用者に敬遠され、かえって収益が大幅に減少してしまう可能性すらも秘めています。

広く使いやすい駐車場は、継続して利用してくれる方が増加し、結果として稼働率も伸びます。そのため、駐車台数よりも利用者にとっての利便性を重視してレイアウトを作成するようにしましょう。

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まとめ

駐車場の寸法に法律上の規定はありません。しかし、国土交通省の標準駐車場条例では一般的P(利用者・サービス用SP)と車椅子使用者用HPとでそれぞれ異なる基準が公表されているほか、設計対象車両ごとの駐車場マスにも指標が示されています。駐車場レイアウトを作成するときは、必ずこれらの基準・指標を参考にしてください。

また、利用者が安心して利用できる駐車場を設計するためにも、「稼働率の分散」や「車の内輪差」を意識したレイアウトを作成することが大切です。なるべく多くの収益を得ようと無理に駐車台数を確保したいと考える方もいますが、事故リスクの高い駐車場は利用者に敬遠されるおそれもあるため、「使いやすさ」を重視することも忘れないでください。

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