駐車場経営に限らず、何らかの投資を行う場合は、利回りを意識する必要があります。利回りを意識して投資を行うことで、より効率的に投資を進めていくことが可能です。

この記事では、利回りとは何かについて、詳しく解説します。さらに、駐車場経営の利回りを考える上で重要な、表面利回りと実質利回りの違いや、利回りの相場についても紹介します。

駐車場を経営する場合における利回りのシミュレーションについても取り上げるので、駐車場経営の実施を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.駐車場経営における利回りとは?

利回りとは、投資した資本の金額に対する収益の割合のことであり、一般的に1年間の収益の割合を示す「年利回り」で求められます。利回りの数値が高いほど、高い利益が得られることが期待できると考えられるため、駐車場経営・駐車場投資を検討する際には利回りの数値が重要な判断材料となるでしょう。

駐車場経営における利回りの考え方には「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があるため、駐車場経営を考える際にはそれぞれについて理解を深めることが大切です。ここでは、駐車場経営における表面利回り・実質利回りの概要と計算方法について詳しく解説します。

 

1-1.表面利回り

駐車場経営での「表面利回り(グロス利回り)」とは、土地の価格に対して年間の駐車場収入がどの程度発生するかを見込んだ数値のことです。表面利回りを計算する際には、土地の価格と満車時における年間賃料を用いて、下記のような式で算出します。

表面利回り(%)=年間賃料(満車時)÷土地価格×100

表面利回りは実質利回りよりも簡単に算出できるため、どの程度の収益性があるか大まかな数値を知りたいときに便利な指標です。駐車場選びを行う際にはまず表面利回りを確認し、選択肢に含める土地かどうかを判断しましょう。

 

1-2.実質利回り

駐車場経営における「実質利回り(ネット利回り)」とは、実際に受け取る年間賃料と土地の価格のほか、初期費用やランニングコストも計算に加えて算出する利回りのことです。実際の収入や必要経費を考慮した上で算出される数値であるため、より現実的な利回りを知ることができるでしょう。

実質利回り(%)=(年間賃料-ランニングコスト)÷(土地価格+初期費用)×100

なお、駐車場経営における初期費用・ランニングコストには次のようなものが挙げられます。

初期費用
  • 設備・工事費用(舗装費用など)
  • 機械設置工事費(コインパーキングなどで機械の設置が必要な場合)
  • 手付金・不動産取得税・登録免許税など(土地を購入する場合)
ランニングコスト
  • 管理委託料
  • 設備のメンテナンス費用
  • 固定資産税 など

初期費用の金額は、コインパーキングにするか月極駐車場にするかによって大きく異なります。コインパーキング経営の場合は、料金精算機などの機械を導入する必要があるため、その分初期投資の費用や維持費用がかかることに留意しましょう。

また、ランニングコストについて考える際には、管理委託料に注目することがポイントです。管理委託料は委託する業者や業務の内容・量によって大きく異なるため、委託契約を結ぶ前に委託先や業務内容を十分検討するようにしましょう。

 

2.駐車場経営における利回りの相場

月極駐車場の平均的な表面利回りが5%前後である一方で、コインパーキングの表面利回りは15〜30%となるケースが多いことを押さえておきましょう。

また、駐車場経営を行う際には、立地(地域)や稼働率について考えることも重要です。ここでは、地域によって異なる駐車場の収益相場や、駐車場の稼働率の算出方法について確認しましょう。

 

2-1.駐車場の収益性

総務省統計局によると、地域別の駐車場の収益相場・平均駐車料金は下記のようになっています。

◆月極駐車場などの1か月間の賃料(1台あたり)

  2020年 2021年 2022年
札幌市 12,433円 12,433円 12,433円
特別区部(東京23区) 27,058円 26,494円 26,919円
名古屋市 6,822円 6,833円 6,833円
大阪市 20,000円 20,000円 20,000円
福岡市 11,026円 11,026円 11,026円

◆コインパーキングの駐車料金(1時間あたり)

  2020年 2021年 2022年
札幌市 413円 413円 422円
特別区部(東京23区) 672円 683円 705円
名古屋市 527円 527円 527円
大阪市 400円 400円 400円
福岡市 200円 200円 200円

出典:総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)」

出典:総務省統計局「付録2 調査品目及び基本銘柄」

上記のデータより、駐車場の収益相場は東京23区や大阪市のような大都市圏のほうが高い傾向があることが分かります。また、名古屋市のように月極駐車場の収益性はそれほど高くないものの、コインパーキングの相場価格が高い地域もあります。地域によって特徴が異なるため、駐車場経営を検討しているエリアの状況を事前に確認するようにしましょう。

 

2-2.駐車場の稼働率

駐車場経営での利回りを考える際には、駐車場の稼働率を確認することも大切です。コインパーキングの稼働率は、次のような計算式で平均の値を算出することができます。

◆コインパーキングの稼働率

稼働率(%)=実際に駐車されていた時間(1日)÷24時間×100

また、月極駐車場の稼働率は下記のような計算式で求められます。

◆月極駐車場の稼働率

稼働率(%)=契約済みの駐車区画の数÷すべての駐車区画を合計した数×100

利回りを上げようと駐車料金を高く設定すると、利用者が離れて収益が低下する恐れがあります。駐車料金設定の検討と併せて稼働率を高めることを意識するとよいでしょう。

 

3.駐車場経営における利回りのシミュレーション

経営を行う駐車場を検討する際には、事前に利回り計算を行うことが大切です。ここでは、月極駐車場とコインパーキングのそれぞれについて、表面利回りと実質利回りの両方のシミュレーションをしてみましょう。

 

3-1.月極駐車場の利回りシミュレーション

月極駐車場を下記の条件で、経営する場合の利回りについて考えてみましょう。

  • 駐車可能スペース:20台
  • 1台あたりの月額賃料:月20,000円
  • 土地の価格:3,000万円
  • 土地の整備費用:500万円
  • 税金・委託管理費など:年間300万円
  • 稼働率:90%

上記の条件で表面利回り・実質利回りを計算すると、それぞれ次のようになります。

◆表面利回り

年間賃料(満車時)÷土地の価格×100 =(20,000円×20台×12か月)÷3,000万円×100=16%

◆実質利回り

(年間賃料-ランニングコスト)÷(土地の価格+初期費用)×100=(20,000円×20台×0.9×12か月-300万円)÷(3,000万円+500万円)×100≒3.8%

 

3-2.コインパーキングの利回りシミュレーション

次に、コインパーキングを下記の条件で経営する場合の利回りについて考えてみましょう。

  • 駐車可能スペース:10台
  • 1台あたりの賃料:1時間あたり400円
  • 土地の価格:3,000万円
  • 土地・設備の整備費用:500万円
  • 税金・委託管理費など:年間300万円
  • 稼働率:30%

上記の条件で表面利回り・実質利回りを計算すると、それぞれ次のようになります。

◆表面利回り

年間賃料(満車時)÷土地の価格×100 =(400円×24時間×10台×365日×0.3)÷3,000万円×100≒35%

◆実質利回り

(年間賃料-ランニングコスト)÷(土地の価格+初期費用)×100=(400円×24時間×10台×365日×0.3-300万円)÷(3,000万円+500万円)×100≒21.5%

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4.駐車場経営における利回りを決定する要因

駐車場経営における利回りを左右する要素は複数ありますが、「立地条件」「運営方式」といった要素は特に大きな影響を与えます。月極駐車場の場合は「駐車場ニーズが高く、定期的な利用が見込める土地」を選ぶことがポイントです。コインパーキングの場合は「周辺施設が豊富で多くの利用者が一時的に駐車するのに便利な土地」を選ぶとよいでしょう。

また、駐車場の運営方式には次のような種類があります。それぞれの運営方式における利回りやメリット・デメリットについて確認した上で、自分に適した方法を選ぶようにしましょう。

◆駐車場の3つの運営方式

・自主管理方式

駐車場の管理をオーナー自身で行う方法であり、他の運営方式と比較して高い駐車場利回りを得られる可能性があります。一方で、管理業務や清掃業務、契約業務、トラブル対応、宣伝活動などに時間や手間がかかるリスクがあることに留意しましょう。

・管理委託方式

駐車場運営会社に駐車場の管理を任せるタイプの運営方式です。管理委託料を支払う必要がありますが、駐車場経営におけるオーナーの業務負担を大幅に軽減することができます。

・一括借り上げ方式

駐車場の運営会社・管理会社に土地を貸し出し、運営会社から毎月定額の借地料を得るタイプの運営方式です。管理委託方式と比べて、利用状況に影響されず安定した収入が得られるというメリットがあります。

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まとめ

駐車場経営における利回りを検討する際には、表面利回りと実質利回りの違いを理解しておくことが大切です。表面利回りは、土地の価格に対する駐車場収入の割合となります。一方で、実質利回りでは表面利回りに初期費用やランニングコストを考慮するものです。

一般的に、月極駐車場の平均的な表面利回りが5%程度である一方で、コインパーキングの表面利回りは15〜30%です。しかし、実際には立地や稼働率を考慮する必要があります。この記事では、利回りのシミュレーションを示しているので、それを参考にして利回りについて考えてみましょう。

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